古墳の意味合い

古墳は遺骸を葬るだけの施設ではない。たんなる墓であれば、あれだけの規模の墳丘や手のこんだ埋葬施設、多様な副葬品は必要としない。古墳は葬儀をとりおこなう場でもある。古墳時代の葬儀は、まず亡き首長の魂をちんぶし、残された者の安寧と豊穣を祈る。そして亡き首長が保持していた政治的、経済的な支配者としての、あるいは祭祀者としての固有の力を次世代の継承者に移譲し、その事実を世間に披露するという側面がある。それだけに極めて重要な政治的儀式であった。一人の首長の死は、その支配が及ぶ人々の集結を促巣し、彼らが提供する労働によって畿内地方を手本にした大きな墳墓がつくられ、そこに首長の亡骸が手厚く葬られる。人々はその労働と葬儀に参加することにより、自らが所属する集団の結合を認識し、その安泰を加護する首長の力と恩恵を体感する。こうした一連の活動は、亡き首長の後継者によって采配されることになり、人々は古墳の造営とそこでとりおこなわれる儀式のなかで儀式が正当なことを確認することになる。

古墳の意味合い